大判例

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福岡高等裁判所 昭和27年(う)676号・昭27年(う)675号 判決

職権で調査すると原判決は「被告人は何年何月から何年何月迄の間単一犯意の下に屡次に亘り業務上保管していた社金中合計何円を何処そこで勝手に自己の用途に費消横領したものである」旨総括的判示をしているに止り、個々の費消の内容に付いては之を明かにしていない。尤も判文中右の費消が総て単一犯意の下に連続してなされたものであることは明にしてはあるが、所謂連続犯の廃止された今日罪となるべき事事(公訴事実訴因)は飽くまでも個々の費消事実そのものであり、従つて個々の費消事実の数だけの罪となるべき事実(同上)が存在する訳であり、決して単一犯意下に総括された一個の罪となるべき事実が存在すると見做すことは許されないと信んずる。しからば原判決には罪となるべき事実を明かにしない違法、換言すれば判決に理由を附しない違法があると言うべく原判決はこの点において破棄を免れない。

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